マチコアイシテル 6話
―呼応し合う魂ー
いつの間にか男の泣く声が途切れ、
無音の恐怖が襲いかかって来た。
私は今、地面を遠く離れ、空中でゆっくりと回転している。
暗黒であるべき世界がこんなに明るいのは、
無数に光る星のせいだ。
私はたった一人で無限の宇宙に放り出された事を知る。
寂しい・・・誰かに会いたい。
何かを掴もうと延ばした両手に触れるものは何も無かった。
このまま一人ぼっちに耐えろと言うのなら、
いっそ死んでしまいたい・・・
いや、ひょっとしたらもう死んでいるのかも知れない。
死んでいる事を期待して脈を探ろうと手首を握ったら、
濡れているのか、ぬるぬるしている。
つづく
(今回のイメージ写真は、なかすみ様の『天体観測03』を使用させていただきました)
https://www.photo-ac.com/profile/364836
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